11 juillet 2015

7月10日 東京でヤン・ファーブル展 Yan Fabre á Tokyo

Le vendredi 10 juillet 2015
6時、快晴、1950%

オマール・シャリフが今日午後カイロで亡くなった。『アラビアのロレンス』では脇役だったが存在感があった。アレキサンドリア生まれだったが両親はシリア・レバノン系というからフェニキアの血だ。『ドクトル・ジバゴ』もよかったなぁ。最近では『イブラヒムおじさんMonsieur Ibrahim et les fleurs du Coran』。全部DVDを持って来ている。

アルジェリアはサハラ砂漠の入り口の都市ガルダイアGhardaiaでベルベル人(砂漠の民)とアラブ系住民とが7日(火)から殺人を含む暴動を起こし中央政府の軍隊が介入した。暴動で20人以上の犠牲者が出た模様。
ガルダイア
ガルダイアは地中海のアルジェからアトラス山脈を越えて瓦礫の荒野を走った先に忽然と現れる古い都市である。アルジェから600㎞。確かに他のアルジェリアの都市とは違ってフランスの影響が少なく、中世の面影が濃く残っている。しかし、僕の印象は悪い。遠くから眺めるのはいいが、ともかく街に入るとハエが多くて不潔だからである。人口増加に排水が追い付かないのだろう。
ベルベル人とアラブ人の争いには長い歴史があるようだ。土地問題と宗教だろう。スンニ派のアラブ人とスンニ派でもシーア派でもないベルベル人イバート派の間の争いらしい。いまのところダエシュ(「イスラム国」)とは直接関係がないとみられている。もし関係がでてくると面倒なことに将来なるかもしれないと思う。

Yan Fabreはスキャンダラスな現代美術作家である。彫刻、演劇演出等幅広い芸術活動をしているベルギー人だ。ベルギー領コンゴ時代にも面とむかって作品を発表している。今回東京でそんな作品群を展示している。
スキャンダラスなのは結構だが2012年には生きたネコちゃんを作品に投げ入れて動物愛護協会からクレームされた。直ぐに謝って中止したけれども勇み足では済まない。配慮に欠ける。
以下は¸WWD Japan』(Women’s Wear Daily)電子版の記事から転載する。Geegle Alertにヒットした。

「エスパス ルイ・ヴィトンでヤン・ファーブル展 昆虫のスカラベで"残酷の美""美の残酷"を描く
THU, JUL 09, 2015  WWD Japan.com

 エスパス ルイ・ヴィトン東京は79日から923日まで、ヤン・ファーブルを迎え「Tribute to Hieronymus Bosch in Congo(2011-2013)(邦題:ヒエロニムス・ボスとコンゴ-ボスを讃えて)展を開催する。同展ではファーブルのアーティスト活動のテーマ「Metamarphosis(変容)」をもっとも現す昆虫のスカラベのサヤバネを素材に用いたモザイク作品を日本で初めて披露する。

 同展は、ファーブルの故郷ベルギーが19世紀から20世紀にかけてコンゴに対し行った苛烈な植民地政策の歴史を題材にしている。奴隷制度や略奪行為、賭博などベルギーの文明化が進む一方で搾取され続ける植民地コンゴ、そこに隠された「闇」を初期のフランドル派の巨匠ヒエロニムス・ボスの絵画「地上の悦楽の園」(1503-04)に描かれた寓話や教訓の表象に置き換えて表現した。
倒れたコンゴ人を鞭打っている構図は
マタディ=キンシャサ間鉄道工事の写真にあったような気がする
具象的過ぎ、月並みと思う
ファーブルは「今回の一連の作品は私が大切にしている2つの要素をつなげた。ヒエロニムス・ボスの絵画「地上の悦楽の園」の要素と私の母国ベルギーが19世紀から20世紀にかけてコンゴに対して行った植民地政策の要素。ボスが作品の中で描いた(残酷な)幻想は、数百年経ったベルギーの植民地のコンゴで実際に起こったこと。それはベルギー人の中で遺伝子的に引き継がれていると感じる。作品の中に"美の残酷""残酷の美"の両方を見てほしい」とコメント。

 ファーブルがコンゴに対するベルギーの植民地政策をテーマにした作品を制作したのは2002年のこと。ベルギー・ブリュッセル王宮からパーマネント・ワークの制作を依頼された時だった。何百万のスカラベを用いて王宮の天井に制作した「Heaven of Delight」は、緑や青の玉虫のサヤバネが光をさまざまに反射する美しい作品である一方で、植民地独立語の批判や批評を込められた。同作品は、30人の若手アーティストをアシスタントに約4ヶ月をかけて完成させたという。この様子は、同展で映像で紹介されている。
140万のコガネムシを使ったといわれる
宮殿の鏡の間の作品
どこから大量のコガネムシを得たのだろう
 その後もコンゴに対する植民地制作の歴史をアーティスティックな観点からリサーチを続け08年、ブレゲンス美術館で開催された個展では、「Heaven of Delight」の一部を床に飯店させて新たに制作し、その上に傷を負った裸の黒人男性が横たわっているインスタレーション作品を披露した。その後も「Tribute to Hieronymus Bosch in Congo」は構成を変化させてさまざまな場所で開催している。
ヤン・ファーブル氏

 今回、「Tribute to Hieronymus Bosch in Congo」から選ばれたモザイク作品5点と三連画1点に加え、新たなに骸骨や鳥を模した彫刻作品が4点加えられた。光輝くスカラベのサヤバネで作られた14点の作品は、ガラスに囲まれたエスパス ルイ・ヴィトン東京に差し込む光に反射し、作品の裏にある「闇」を見せる。」

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